特集 皮膚泌尿器科診療の進歩
前立腺肥大症及び前立腺癌の最近の治療
落合 京一郞
1
1東京大学
pp.857-864
発行日 1954年12月1日
Published Date 1954/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201338
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前立腺疾患の大部分を占めるものは前立腺肥大症と前立腺癌であり,いわゆる前立腺外科(pro-static Surgery)という特殊な分野さえつくられているほど重要なものである。この分野における発展はDavis (1948)によつて航空機の発達に比較されているが,これは前立腺剔除の可能性が実証されたのと,アメリカのRight兄弟がはじめて空を飛んだのとがちようど時を同じくした今世紀の初頭であり,以後急速に手術の安全性を加え広く普及するに至つた経緯などもよく似ているからである。もちろんこの類似は主に手術という技術的な面についていえることで,疾患の本態に立脚した治療,特に前立腺癌の治療などではなお解決を要する幾多の根本的な問題が残されている。ここにはこれ等の点をも加味して,前立腺肥大症と癌の治療における最近の進歩とか,傾向について述べることとする。
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