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特集(増刊号の)3 小児の泌尿器疾患
Ⅲ.検査法
小児の尿検査—代謝異常のスクリーニングを中心として
Urinalysis in Children : Screening for Inborn Errors of Metabolism
鬼沢 仁一
1
,
中村 了正
1
,
李 延彦
1
,
水野 悌一
1
Jin-ichi Onisawa
1
1東京大学医学部小児科学教室
1Department of Pediatrics, Facnlty of Medicine, University of Tokyo
pp.139-148
発行日 1970年12月25日
Published Date 1970/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201078
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緒言
尿は腎尿路系の機能的および解剖学的な障害を忠実に反映し,前腎性の代謝をよく反映する。臨床的応用価値が高いので尿の検査法については既に多くの成書による詳しい記載があり,小児科領域とて例外ではない。小児の尿検査を特色づける2つの理由は,1つは,小児の動的な発達過程が背景にあることであり,他の1つは先天性遺伝性の特殊な代謝性疾患が多いということであろう。
小児では尿量1つをとりあげてみても,第1表に示すように発育に伴つた変化があり,尿糖,尿アミノ酸など尿構成成分の1つ1つに代謝酵素の発達過程という背景がある。成人や年長児で異常とみられるものが,新生児や乳児では未熟なるがための生理的ということも多い。小児でみられやすいケトージスも糖代謝がlabileなためであろうし,また特にそのような体質性疾患もある。腎の濃縮能でも乳児には未熟なるがための限界があり,これをこえれば高滲透圧症候群がみられる。
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