ベッドサイド検査法・4
代謝異常のスクリーニング
大和田 操
1
Misao OWADA
1
1日本大学医学部小児科学教室
pp.439-445
発行日 1983年4月15日
Published Date 1983/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911851
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はじめに
特定の遺伝子に先天的な欠陥が存在するために正常と異なる物質代謝が行われ,生体の恒常性が崩れてなんらかの症状を示す疾患群を先天性代謝異常症と総称しており,これまでに数百種類の疾患が報告されている.これらのうちのあるものでは尿や血液に異常が示され,代謝異常症を疑わせるなんらかの症状が認められる場合には,尿や血液を用いて種々のスクリーニングが試みられてきた.また,ごく限られた一部の代謝異常症では治療が可能であり,今日ではこのような場合には一般人口集団を対象として,無症状のうちに患者を発見しようとするスクリーニング,すなわちマススクリーニングが行われつつあるが,マススクリーニングは特定の施設で行われ,ベッドサイドでの検査とは性質を異にするので,本項では代謝異常症が疑われる場合の簡易スクリーニング法に限って,その手技,検査の意義を中心に記述する.
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