特集 在宅医療アップグレード2025
在宅における疾病管理のコツ
在宅医療における尿道カテーテル抜去のコツ
大川 あさ子
1
1はなまるクリニック泌尿器科
キーワード:
尿道カテーテル
,
カテーテル抜去
,
薬物療法
,
手術療法
,
自己導尿
Keyword:
尿道カテーテル
,
カテーテル抜去
,
薬物療法
,
手術療法
,
自己導尿
pp.603-608
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000001360
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Headline
・2016年から排尿自立指導料,2020年から排尿自立ケア加算というかたちで病院では尿道カテーテル抜去の試みがなされているが,実際に在宅医療の現場で尿道カテーテルが留置されてくるのは,それから洩れたものが多い.
・留置された尿道カテーテルが医療的に本当に必要なものかを評価する必要がある.脳血管障害などでは急性期には尿閉で抜去不能と判断されても,時間経過により排尿状態が変化し排尿できるようになることもある.
・尿道カテーテルは合併症が多く,安易に介護負担軽減を目的に留置したままにすべきではない.かえってカテーテルの閉塞や尿路感染を繰り返すことにより,介護負担増大やカテーテル管理困難を生じるだけでなく,腎機能低下のみならず生命予後の悪化をきたすこともある.
・抜去できなかった場合には,疾患特性を考え再抜去時期を選び,自己導尿の導入,膀胱瘻造設や,前立腺肥大症に対する手術療法も検討する必要がある.
・残念なことではあるが,すべての泌尿器科医が尿道カテーテル管理や排尿管理に熟達しているわけではない.コンサルテーションの結果に納得がいかない場合には排尿機能学会専門医への受診も考慮すべきである.

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