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新薬治験
Furadantin Macrocrystal—特に副作用について
Furadantin Macrocrystal
東福寺 英之
1
Hideyuki Tofukuji
1
1慶応義塾大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Urology, School of Medicine, Keio University
pp.273-275
発行日 1970年3月20日
Published Date 1970/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200896
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1944年DoddとStillmanによつて発見されたNitrofuranは,その安定性,広い抗菌力の他耐性菌が出現し難いなどの優れた特徴を有するうえ,その高い尿中排泄濃度が認められ尿路感染症に広く用いられ始めた。しかし本剤に伴なう嘔気,嘔吐などのため製剤面では腸溶錠が出現し,一般に1日投与量を400mgとしていたものを1日200mgに減量し,その治療効果を減少させることなくこれら副作用の軽減に努力が払われた。他方,本剤の内服時牛乳などを用いることが奨められたが必ずしも期待できる程の効果が挙げられたとはいえなかつた。
この副作用についてはCatloWが本剤の点滴静注によつても濃度が高くなるに従つて急速に嘔気の発生率が高まりCompazineを併用することによつて嘔気の発現が半減する事実から中枢神経の作用も多分に関係していることを述べた。一方急速な吸収も誘因として否定できずPaulらは本剤の結晶の大きさを変えることにより吸収の速度を抑制し副作用防止に努めた。
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