Japanese
English
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Furadantinの尿路感染症に対する使用経験
A CLINICAL APPRAISAL OF FURADANTIN IN URINARY TRACT INFECTIONS
楠 隆光
1
,
前川 正信
1
Takamitsu KUSUNOKI
1
,
Masanobu MAEKAWA
1
1大阪大学医学部泌尿器科教室
1Department of Urology, School of Medicine Osaka University
pp.237-240
発行日 1961年3月1日
Published Date 1961/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203015
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I.緒言
Nitrofuran誘導体Nitrofurantoin即ちFu-radantinについては1953年Mintzer et al.及びNorfleet et al.の報告以来,吾々はスルフォンアミド剤又は抗生物質とは異なる期待を持つて,かねてよりその治療界への登場を待つていた。
FuradantinはN-(5-nitro-2-furfuryliden)-1-aminohydantoinで,黄色針状結晶,分子量238.16,融点258〜262℃,水に対する溶解度201mg/l (pH 7.0),水溶液は37℃で24時間安定である。その抗菌力はグラム陽性及び陰性の細菌類に広範囲に及ぶのみならず,原虫類ではトリコモナスに対しても抑制効果のあることが報告されている。服用後の吸収は迅速で,尿中へは約30分で現われ,約8時間後には殆んど排泄され,且つ尿中溶解度が高いので尿路結石の心配がないとされている。副作用としては胃腸障害と皮膚の発疹が少数乍ら報告されている。
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