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特集(増刊号の)4 泌尿器と関連領域の症候レントゲン診断
Ⅴ.排尿障害とそのレ線像
排尿異常の種々相とその鑑別診断
Variation of Abnormal Urination and Its Differential Diagnosis
東福寺 英之
1
Hideyuki Tofukuji
1
1慶応大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Urology, School of Medicine, Keio University
pp.199-206
発行日 1971年12月25日
Published Date 1971/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201304
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Ⅰ.排尿異常の種類
排尿異常は泌尿器科領域において極めて重要且つ広範に亘る症状であることは言うまでもない。
排尿の機構については今日まだ完全に解明されているとは限らない。しかし一般に理解されていることは膀胱に尿が貯留し膀胱がある程度緊満した場合に尿意を感じる。これは知覚神経線維を介して脊髄にある排尿中枢に伝えられる。幼児以下では脳幹にあると言われる抑制中枢と排尿中枢との関連が不十分の時期では,仙髄の排尿中枢から副交感神経を介して膀胱利尿筋の収縮に伴う膀胱内圧の上昇により内尿道口が開き,ついで外括約筋も開いて尿は尿道を経て流出を認める。膀胱利尿筋の収縮は膀胱内容が完全に放出されるまで続き,利尿筋の弛緩,外括約筋は閉鎖することにより排尿は止まる。しかし排尿の時に場所が不適当の場合には脳幹にある抑制中枢の支配により排尿は抑制されると言われている。
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