小さな工夫・7
万能泌尿器小手術盤
井田 正文
1
1井田皮膚・泌尿器科クリニック
pp.863
発行日 1969年10月20日
Published Date 1969/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200774
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かねがね泌尿器科の小手術すなわち,除睾術,睾上体切除,包茎手術,ワゼクトミー等に際して,助手を要しないで,しかも短時間で施術する方法はないかと考えていたが,今回第1図のような小手術盤を作つて試用してみた。この盤は厚目の金属板を8角形に形取り,各々の角に柔かいスプリングを有する円柱を立てたものである。中央の円口は径約10cmで,煮沸滅菌を容易にするために,蝶番で折りたためるようにした。
使用法:患部が中央口より露出するように盤を直接患者の上に置き,たとえば第2図のように包茎手術時,皮膚切断縁に小コッヘルをかけ,その耳を円柱のスプリングに引かけると,ペニスは円口の中央に固定挙上されるような形となりまた,術者の両手は自由なので,止血,皮膚切除が容易となる。また第4図のように,出血点にかけたAコッヘルをスプリングに固定し,結紮糸を一回結び,その一端をスプリングにかけた他のコッヘルでひつぱり,Aをはずしながら結紮糸を緊縛すれば,術者一人で止血結紮が簡単にできる。また第3図のごとく,精管を固定し,切断結紮,造影剤注入等も楽にできる。その他種々の手術に利用できる。
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