連載 カラーグラフ
なるほど人体—Human Body World・21
血液は万能の液体
坂井 建雄
1
SAKAI TATSUO
1
1順天堂大学医学部解剖学第一講座
pp.808-811
発行日 1997年9月1日
Published Date 1997/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905417
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人間の生命の不思議さを,感じるときがあります.人の言薬や表情の端々には,脳の奥深いはたらきがかくれています.規則正しい心臓の鼓動は,何かたくましさを感じさせます.脳と心臓は,昔から人間の生命の中心だと,漠然と考えられてきました.現在でも,多くの人たちは,やはり脳と心臓に生命の存在を感じています.
生命がどのようなしくみで営まれているか,さまざまな探求がなされてきました.現在では,身体を細かく分析して細胞に,さらにそれを構成する分子に,生命の源を求めます.しかし細胞や分子が認められるよりももっと前には,目に見えるような身体の素材に,その源を求めました.
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