文献抄録
前立腺癌の放射線治療/腎間質淋巴液中の抗生剤濃度
pp.117,150
発行日 1969年2月20日
Published Date 1969/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200618
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前立腺癌が放射線により初めて治療されたのは1913年Pasteau,Deg-raisらによつてであるが,続いてYoung, Deming, Barringer, Bugbeeらの多数例におよぶ臨床報告がある。当時からその有効性については確認されていたが,何分にも周囲組織ことに腸管,膀胱に対する副作用が強いために抗男性ホルモン治療が広く用いられるようになつたことはよく知られている。しかし1951年放射性金が前立腺癌の局所病巣,転移巣に応用されるようになつてから再び放射線治療が脚光を浴びてきた。ことに最近では超高圧レ線の応用,各種同位元素の転移巣治療の応用は注目されるものがある。
著者らの前立腺治療の経験からいうとStage 0の症例では根治的手術療法が最も予後が良く,57例のStage 0症例の5年予後では51列(89%)が健在であつた。Stage2の症例では根治手術のみでは1例の5年生存をえたが,手術とR.I.の組織内応用では48例が5年以上生存した。R.I.応用症例の副作用としては極めて少ないが,手術創の治癒遷延と会陰瘻形成を見たがその頻度は500例中0.2%であつた。
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