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AUAでの話題の中心はなんといっても前立腺癌ですがPSA検診に否定的な2012年の米国予防医学作業部会(USPSTF)の勧告もあり,全体に以前ほどには盛り上がっていないような印象でした。PSAスクリーニングに関してはヨーロッパの比較試験(ERSPC)で前立腺癌死亡率の低下が示され,科学的には検診の意義はあるという結論になったと思います。ただ検診に伴う過剰診断,過剰診療の問題から,これまでのような網羅的なスクリーニングは推奨しないというスタンスが定着しつつあるようです。これを受けて生検目的での紹介が減りつつあることを示す報告も出されていました。昨年出された『PSAスクリーニングに関するAUAガイドライン』は死亡率減少効果が顕著な年代である55~69歳に絞ってスクリーニングを行うというもので,ERSPCの結果に基づいた妥当な見解と思われます。比較的若い年代でPSAを測定し,それに基づいてその後のスクリーニングの頻度を変えるという試みも報告されていました。
前立腺癌検出のための検査としてはPSAよりも癌特異性が高いとされているPSA前駆体,[-2]pro-PSAを取り入れたPHI(Prostate Health Index)の有用性を示す報告のほか,Plenaryで4K SCORE(Total PSA,Free PSA,Intact PSA,human kallikrein 2)がhigh grade cancerの検出に有用であることが示されていました。これについては群馬大学のグループがpro-PSAの有用性の検証に取り組んでおり,いずれ日本でも話題にのぼると思います。生検に関してはMRIの画像情報を組み合わせて癌の疑いが強い部分を狙い撃ちするTarget biopsyの演題が多くみられました。癌の検出率が向上するとの報告が多かったのですが,一方で,MRIで見逃されてしまうケースが少なからずあることも報告されており,費用対効果の面も含めて更なる検証が必要と思われます。なお,耐性菌の蔓延はアメリカでも問題となっており,生検後感染症のために再入院する率が増加していることが報告されています。事前に直腸swab培養で耐性菌の有無と対策を検討する試みもなされているようですが,生検後の感染対策はまだまだ改善の余地があると思われます。
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