Japanese
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特集 副腎腫瘍を再考する―診断と最新の低侵襲治療
副腎腫瘍と遺伝子異常
Hereditary pheochromocytoma/paraganglioma syndrome:HPPS
竹越 一博
1
Kazuhiro Takekoshi
1
1筑波大学大学院医学医療系臨床医学域スポーツ医学
キーワード:
HPPS
,
SDHx
,
TMEM127
,
MAX
,
sunitinib
Keyword:
HPPS
,
SDHx
,
TMEM127
,
MAX
,
sunitinib
pp.554-560
発行日 2014年7月20日
Published Date 2014/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103629
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要旨 最近,さまざまな副腎腫瘍が遺伝子異常で発症することが明らかになっている。特に褐色細胞腫における遺伝子診断の考え方は大きく変化した。20世紀までは褐色細胞腫の10%しか遺伝性がないといわれた(褐色細胞腫の10%ルール)が,最近の研究の急速な進展により,遺伝性の頻度は10%よりはるかに高いと見積もられるようになった(NF1,RET,VHLに加えて,2005年までにSDHB,SDHC,SDHD,最近3~4年間でSDHA,SDHAF2,TMEM127,MAXと計10種類もの遺伝子が同定されている)。最新のコンセンサスとしては,①褐色細胞腫の全体の30%以上が遺伝性である,②臨床的に散発性でも10~15%に遺伝性が潜在している。つまり,40歳未満で発症した若年症例・パラガングリオーマ・多発例・悪性例では,たとえ家族歴がなくても遺伝子変異が潜んでいる可能性が高い,③SDHB変異は悪性と関係する,といったことが挙げられる。さらに最近のこの分野のトピックスとして,原発性アルドステロン症の原因遺伝子としてKCNJ5とACTH非依存性大結節性副腎皮質過形成(AIMAH)におけるARMC5についても簡単に紹介したい。
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