Japanese
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Focus 泌尿器科の未来を拓くバイオ技術
核内リセプターを利用した膀胱癌治療の試み
Therapy of bladder cancer in terms of nuclear receptor modulation
稲元 輝生
1
Teruo Inamoto
1
1大阪医科大学泌尿生殖・発達医学講座泌尿器科
キーワード:
核内レセプター
,
膀胱癌
,
治療
Keyword:
核内レセプター
,
膀胱癌
,
治療
pp.121-126
発行日 2013年2月20日
Published Date 2013/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103018
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要旨 非筋層膀胱癌に対するBCG注入療法が5割もの再発予防効果を有する。その一方で浸潤癌に対する治療法は化学療法の進歩と工夫にもかかわらず,膀胱癌の10年生存率はおしなべると5割程度にとどまる。膀胱癌は発生と進展に遺伝子異常がかかわることが指摘されており,化学療法の反応性が不均一である原因であるとも考えられる。既存の治療法を凌駕する治療法の発見のきっかけとして分子標的療法は膀胱癌をはじめとした尿路上皮腫瘍でも現状で欧米を中心として臨床治験が進行中である。膀胱癌で現在まで研究の進んだ癌遺伝子としてはEGFR,MDM2,Ras,サイクリンD1などがあり,癌抑制遺伝子としてはp53などが知られている。本稿では膀胱癌の分子標的療法,特に核内レセプターを標的とする治療の可能性についてふれる。
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