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はじめに
オピアート・リセプター(opiate receptor)という言葉は,一応脳内で麻薬性鎮痛薬の作用薬(opiate agonist)あるいはその拮抗薬(antagonist)が特異的に親和性を示す特定の部位を意味して用いられている。このopiateに特異的な結合部位が薬物リセプターであることは,多くの証明からまずまちがいはない。この分野の研究はここ数年来急速かつ広範囲に展開されてきたが,その理由の一つとして,morphine様の鎮痛活性を発現しその作用がnaloxoneで拮抗される作用物質,内因性鎮痛物質の発見がある。この比較的低分子量のペプタイド類,すなわちenkephalin類とか,endorphin類は現在新しい神経伝達物質として非常に注目されている1)。これらのペプタイド類は,いわゆるopiate receptorに結合して生物活性を発現すると考えられており,これらのことからopiate receptorは麻薬性鎮痛薬,すなわちexogenousopioidに対するリセプターというよりも,むしろ神経伝達物質としてのendogenous opioid類に対するリセプターとして考える必要があり,この点でopiate receptorの存在はきわめて重要になってくる。ここではopiatereceptorの研究経過と,現時点でのopiate receptoropiate相互作用に関する知見についてのべる。
A lot of evidence has been accumulated over the past 50 years showing that opiates act by virtue of interactions with specific receptors. The minimal structural requirements for opiate activity are the presence of an aromatic ring structure and a nitrogen atom, usually as a tertiary amine, that is located at a distance of 2 saturated carbon atoms from the aromatic moiety, for example, 1,2-dipheny1-1-dimethylamino ethane. Morphine is an asymmetric molecule.
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