Japanese
English
特集 循環器疾患と遺伝子
血管病変とスカベンジャーリセプター
Atherosclerotic Vascular Lesions and Scavenger Receptor
板倉 弘重
1,2
,
松本 明世
1
,
児玉 龍彦
2
Hiroshige Itakura
1,2
,
Akiyo Matsumoto
1
,
Tatsuhiko Kodama
2
1国立健康・栄養研究所臨床栄養部
2東京大学医学部第三内科
1Division of Clinical Nutrition, The National Institute of Health and Nutrition
2The Third Department of Internal Medicine, Faculty of Medicine, The University of Tokyo
pp.219-223
発行日 1991年3月15日
Published Date 1991/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900235
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はじめに
粥状硬化は動脈内膜に主座をおく限局性病変で,コレステロールを含む脂質,血漿成分の集積,壊死物質の集積を中心に表層および下層にコラーゲン形成を伴う線維組織の増生がみられ,辺縁部にはTリンパ球,マクロファージの浸潤を伴うとされている1).
粥状硬化病変の起こりやすい血管として冠状動脈,脳動脈,大動脈があげられるが,脳動脈では高血圧が加わることで進行が促進される.初期病変のなかでも注目されるようになったのはマクロファージの内皮表面への粘着,内皮下層への侵入,泡沫細胞化であり,ここではマクロファージの泡沫細胞化に重要な役割を果たしていると考えられているスカベンジャーリセプターに焦点を合わせることとする.
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