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特集 分子標的薬時代開幕5年目を迎えた進行腎癌の治療戦略の現状と展望
―基礎研究―FLCN/mTOR系解析からわかってきた腎癌の分子機構
Dysregulation of FLCN pathway:underlying mechanism of BHD-associated kidney cancer
蓮見 壽史
1
,
蓮見 由紀子
1
,
馬場 理也
1
Hisashi Hasumi
1
,
Yukiko Hasumi
1
,
Masaya Baba
1
1Urologic Oncology Branch, National Cancer Institute, National Institute of Health, Maryland, USA
1Urologic Oncology Branch, National Cancer Institute, National Institute of Health, Maryland, USA
キーワード:
FLCN
,
BHD症候群
,
腎腫瘍
Keyword:
FLCN
,
BHD症候群
,
腎腫瘍
pp.61-64
発行日 2013年1月20日
Published Date 2013/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103000
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要旨 Birt-Hogg-Dubé(BHD)症候群は線維毛包腫,肺囊胞,腎細胞癌を3徴とする常染色体優性遺伝病であり,30%に嫌色素性腎細胞癌,オンコサイトーマなどからなる混成腫瘍を発生する。原因遺伝子であるFLCN(folliculin)は新規の癌抑制遺伝子であり,機能については限られたことしかわかっていない。われわれはノックアウトマウスの解析などから,FLCNがAMPK/mTORパスウェイと深くかかわり,またPGC1αを介してミトコンドリア生成を制御するなど,細胞内代謝経路において非常に重要な遺伝子であることを明らかにした。FLCNの機能,およびその欠失による細胞内代謝経路の変化を明らかにしたことは,嫌色素性腎細胞癌やオンコサイトーマの新規診断方法および治療薬の開発に役立つと思われる。
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