書評
「ティアニー先生のベスト・パール」―ローレンス・ティアニー 著/松村正巳 訳
徳田 安春
1,2
1筑波大学大学院
2筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター・水戸協同病院総合診療科
pp.461
発行日 2012年6月20日
Published Date 2012/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102826
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研修医や医学生の間で圧倒的な人気を誇るティアニー氏は,医学教育における「エリック・クラプトン」のような存在といってよい。病院や出版社が主催するケース・カンファレンスでは,申し込みが殺到し,人気アーティストのコンサート並のwaiting listを形成している。
カンファに登場するティアニー氏は,70年代の米国総合内科全盛時代における卒後教育を担当した「オールド・スクール(old school)」系の代表的指導医。NIHから「全米ベスト指導医」として賞賛。サンフランシスコ・エリアでの教え子には,Robert Wachter, Scott Flanders, Sanjay Saint, Gurpreet Dhaliwalなど,現在の米国を代表する総合内科医が並ぶ。これらの内弟子は,ティアニー氏が深くかかわったClinical Problem-Solving(NEJM)のシリーズを引き継いで診断困難症例への推論をわかりやすく解説している。中国などでもケース・カンファを展開しており,The World Encyclopedia of Medicineとの異名も持つ。
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