書評
ローレンス・ティアニー,松村正巳(著)「ティアニー先生の臨床入門」
山中 克郎
1
1藤田保健衛生大・総合救急内科
pp.402
発行日 2011年3月20日
Published Date 2011/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103485
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大好評だった前著『ティアニー先生の診断入門』に続いて本書が世に出た.「名匠に学ぶに勝るものなし!!」のキャッチフレーズに思わず読書欲がかき立てられる.第1部「臨床入門」では豊富な臨床経験をもとにティアニー先生が,医学の神髄をわかりやすく解説される.「より多くの時間を患者とともに過ごした医学生・研修医こそが優れた臨床医として成長していく」「同僚が主治医である患者をも観察できる機会にできるだけ参加し,病棟・外来・救命救急室で最大限時間を過ごすべき」…これらの姿勢は臨床能力を極めようとする者の不易の姿である.職人の年季奉公と同じく,良き指導医から導きを受け,額に汗し貪欲に患者さんから直接学ぶことの重要性が強調されている.さらに,指導医の心得に対しては,「最良の教育者のゴールは,生徒が教育者よりも,より良き医師に成長すること.教育者は常に,生徒の知識欲,より経験しようとする意欲を刺激しなければならない」と述べられている.心深くに楔を打ち込まれた,そんな強い印象を受けた.
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