書評
―ローレンス・ティアニー,松村正巳 著―ティアニー先生の診断入門
藤田 芳郎
1
1トヨタ記念病院腎・膠原病内科部
pp.303
発行日 2009年3月15日
Published Date 2009/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101393
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読みやすくかつ臨床の叡智を凝縮させた書
本書の扉の推薦のことばに,ティアニー先生と16年間の親交がある青木眞先生の短い名文がある。その青木先生のおかげで,著者の松村先生と同様,私も数年来ティアニー先生に触れる機会を得ることができているが,本書によって改めてティアニー先生というエベレストがいかに出来上がったかを知ることができた。このように読みやすくかつ臨床の叡智を凝縮させた本書の出版に尽力された松村正巳先生に深謝したいと思う。
臨床において大切なことの1つは,正しい診断とよりよい治療を求めて,権威的にも感情的にもならずに医療者が検討しあうという医療の透明性である。もう1つの推薦のことばを書かれた黒川清先生の名文にも感じる,そういう自由闊達な雰囲気の中でのレベルの高い日々の症例検討の産物が,ティアニー先生という怪物であると私は思ってきた。実際,ティアニー先生の教育は,自由で明るい雰囲気の中で行われる。
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