書評
「ティアニー先生のベスト・パール」―ローレンス・ティアニー 著/松村正巳 訳
松村 真司
1
1松村医院
pp.670
発行日 2012年8月20日
Published Date 2012/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102878
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指導医が学生や研修医のプレゼンテーションを聞きつつ,ホワイトボードに鑑別診断を記入していく。現在,わが国の外来カンファレンスではおなじみの光景であるが,そのルーツはティアニーかもしれない。
筆者が研修を行った病院にティアニーが臨時講師として滞在したときのカンファレンスで,ホワイトボードいっぱいに病歴や身体所見のキーワードをマーカーで書きとどめつつ,思考回路をひもとくその姿を初めて見たときの衝撃は忘れられない。病歴や身体所見の情報をプレゼンターとの絶妙のやりとりで次々と引き出していく。プレゼンターから出てこない鑑別診断を加えながら,情報のピースを組み合わせ,症例をひもといていくプロセスはエキサイティングですらあった。
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