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特集 泌尿器科ベッドサイドマニュアル
Ⅴ 全身合併症を有する患者の管理
059 糖尿病患者の周術期管理
Perioperative management of patients with diabetes mellitus
佐倉 雄馬
1
,
杉元 幹史
2
Yuma Sakura
1
,
Mikio Sugimoto
2
1内海病院泌尿器科
2香川大学医学部附属病院泌尿器・副腎・腎移植外科
pp.324-329
発行日 2012年4月5日
Published Date 2012/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102735
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[1]はじめに
本邦の2007年の厚生労働省調査では,糖尿病治療中あるいは強く疑われる人が890万人,可能性が否定できない人が1,320万人といわれており,日常泌尿器科診療においても頻繁に遭遇する生活習慣病の1つである1)。近年の糖尿病患者の激増に伴い糖尿病を合併した患者に対して手術を行う機会が増加している。一般に糖尿病患者は全身の動脈硬化性疾患・神経障害などを潜在的に合併していることが多く,外科手術に際してはあらゆる合併症の頻度が増加する2)。さらに周術期の死亡率も非糖尿病患者に比して高いことが知られている(表1)。
糖尿病患者では一度合併症を起こすと容易に重症化するため,厳密な周術期管理が重要である。糖尿病専門医が存在する病院では専門医による管理が可能であるが,専門医を擁さない施設では一般内科医あるいは泌尿器科医が周術期の管理をせざるを得ないことも稀ではない。本項では糖尿病患者の周術期管理についての注意点・最近の知見について紹介する。
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