特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法
Ⅲ 体外衝撃波砕石術(ESWL)
059 留置したステントが抜けない
菅 幸大
1
,
近沢 逸平
1
,
鈴木 孝治
1
Kodai Suga
1
,
Ippei Chikazawa
1
,
Kouji Suzuki
1
1金沢医科大学泌尿器科学教室
pp.167-168
発行日 2011年4月5日
Published Date 2011/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102306
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
Q 径2cmの腎結石に対して,ステントを留置のうえESWLを施行した症例。砕石は良好であったが,下部尿管にストーンストリートを形成した。ステント留置後3か月経過したのでステントを交換しようとしたが,ステントに結石が付着しているせいか,ステントが抜けない。
[1]概 説
尿路結石に対する体外衝撃波結石砕石術(ESWL)後の砕石片によるストーンストリートの形成が原因で,疼痛・発熱・敗血症への進展を予防するために尿管ステントを留置することは,泌尿器科的に通常行われる処置である。しかし,長期の留置によりステントに結晶成分が付着し結石を形成したことによるステント抜去不能例の報告1,2)や,尿路感染症が背景に存在する場合,比較的短期間にステントへの結晶物質の付着と結石の形成を認めたとの報告もあり3),尿路感染,内分泌・代謝異常など結石作成を促進する基礎疾患を有する症例には注意が必要である。
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.