特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法
Ⅳ 開腹手術
■腎部分切除術
074 無阻血腎部分切除術で出血がコントロールできなくなった
野口 満
1
,
魚住 二郎
1
Mitsuru Noguchi
1
,
Jiro Uozumi
1
1佐賀大学医学部泌尿器科
pp.207-209
発行日 2011年4月5日
Published Date 2011/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102322
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Q マイクロターゼを用いて無阻血腎部分切除術を開始した症例。切除面からの出血が多くなりコントロールできなくなった。
[1]概 説
超音波エコー,CTを用いた検診の普及で,腎腫瘍が小さいサイズで治療されることが多くなった。それに伴い腎機能温存の術式が積極的に選択され,中でもマイクロターゼを用いた無阻血腎部分切除術が広く行われるようになり1),予後と腎機能温存に大きく貢献している。最近は腹腔鏡下手術においても頻用されている2)。しかし,切除部位からの出血と腎盂との瘻孔形成が,本術式での合併症として懸念される。本項では本術式での出血コントロール困難症例での対処について概説する。
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