特集 泌尿器科診療ベストNAVI
Ⅱ 疾患・病態の診療
5 腎疾患
その他の腎疾患
074 移植腎拒絶反応
石井 大輔
1
,
吉田 一成
1
1北里大学医学部泌尿器科
pp.217-219
発行日 2013年4月5日
Published Date 2013/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103143
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1 概 念
同種腎移植は腎代替療法の1つとして挙げられ,ほかの代替療法に比して根治療法に近いとされているが,免疫抑制が必要である。近年の免疫抑制剤の進歩により多くの拒絶反応は克服できるようになってきており,特に急性拒絶反応はカルシニューリン阻害剤(CNI)により劇的に減少し,生着率の向上につながった。検査法の進歩も生着率の改善に寄与しておりdirect crossmatchに加えて,より感度の高いflow crossmatchやluminexなど,術前から既存抗体を持つハイリスク患者の選定が可能となってきている。しかしながら急性拒絶反応が減少している一方,長期の移植腎生着率は慢性拒絶反応により満足のいく成績とはいえず,現在の腎移植は慢性拒絶反応の克服が長期生着の鍵となっている。
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