特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法
Ⅳ 開腹手術
■腎部分切除術
075 動脈の血流を再開したら出血が止まらない
近藤 恒徳
1
Tsunenori Kondo
1
1東京女子医科大学泌尿器科
pp.210-211
発行日 2011年4月5日
Published Date 2011/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102323
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Q 腎部分切除術を施行した症例。術後,動脈の血流を再開したところ出血が止まらない。
[1]概 説
腎部分切除術において,腫瘍切除の際は腎動静脈をクランプし,術野を無血野とすることで安全に腫瘍の切除を行うことができる。その後,切除床に露出する血管あるいは出血点をていねいに縫合止血し,腎実質縫合を加えてデクランプする1)。デクランプ後に出血があるのは少なからず経験することではあるが,どのようにしてこれをコントロールするかを述べた論文はほとんど目にしない。われわれの経験では,デクランプ後の出血がコントロールできないという理由で腎摘除を行った症例は,この数年で1例もない。したがって,われわれがどのように対応しているかが,そのまま有用な方法と考えてよいのかもしれない。本項では,その方法を紹介すると同時に,どうすればデクランプ後の出血を防ぐことができるのかも併せて概説する。
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