書評
「標準外科学 第12版」―北島政樹 監修/加藤治文,畠山勝義,北野正剛 編
稲田 英一
1
1順天堂大学・麻酔科学
pp.106
発行日 2011年2月20日
Published Date 2011/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102205
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
最近は外科志望の医師が減少しているといわれている。外科医を増やすためには,まず実技教育を含め生き生きと充実した学生教育を行う必要がある。一口に外科といっても,消化器外科,呼吸器外科,心臓外科,乳腺外科,小児外科などその領域は広い。外科領域の臨床だけでなく,外科学に関係する遺伝子学や免疫学などを含めた基礎教育など幅広い教育も必要となってくる。さらに,臓器移植,遺伝子治療,新薬による治療などに関する倫理的な教育も必要となってくる。このような幅広い要請に十分に応える外科の優れた学生向け教科書が必要なことは言うまでもない。『標準外科学』は今回で第12版となり,1976年の初版発行から30余年が過ぎた「標準」と付いていることに恥じないロングセラーである。現在,外科学の一線で活躍されている先生方の多くも使用された教科書であると思う。本書はその表紙から紙面まで大きく変わっている。真っ白な表紙は,刷新された本書の意気込みや潔さが象徴されている気がする。
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.