書評
「ステップアップ内視鏡外科手術[DVD付]」―若林 剛監修/佐々木 章編
北野 正剛
1
1大分大学/外科学①
pp.82
発行日 2013年1月20日
Published Date 2013/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103005
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
このたび,岩手医科大学の若林剛教授の監修の下,佐々木章准教授が編集を行った『ステップアップ内視鏡外科手術』と題する手術書が医学書院から刊行された。消化器外科領域を中心に内視鏡外科手術を幅広く,数多く手掛けてきた同大学外科学講座の,世界をリードする腕利きの外科医たちの総力結集の著書といえる。
1990年,腹腔鏡下胆囊摘出術がわが国にもたらされた。低侵襲治療としての内視鏡外科手術の夜明けであった。以来,この20年余りの間に,内視鏡外科手術は「低侵襲性手術」としてのカテゴリーを確立しながら急速に普及し,その適応は,良性疾患はもちろん早期がんから進行がんへと拡大されてきた。さらに,内視鏡外科手術の対象は胆囊,大腸,胃にとどまらず,肝・膵・脾,乳腺・内分泌,高度肥満などへ広がり,単孔式腹腔鏡下手術やNOTES(経管腔的内視鏡手術),内視鏡手術支援ロボットも登場してきた。この目覚ましい手術革命は,「体に優しい」手術が,国民の福祉に貢献し,社会が求めているためにほかならない。
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.