書評
「イラストレイテッド外科手術 第3版 膜の解剖からみた術式のポイント」―篠原 尚,水野惠文,牧野尚彦 著
北川 雄光
1
1慶応大学・外科学
pp.804
発行日 2010年10月20日
Published Date 2010/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102129
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私が,この『イラストレイテッド外科手術 第3版』を手にしたのは,著者である篠原 尚先生が,私が執刀する胸腔鏡下食道癌根治術を見学に来てくださったちょうど1週間後の日本外科学会総会(第110回:2010年4月)の会期中であった。第3版で新たに加えられた食道癌根治術を読み進めていくうちに,私は顔面蒼白となった。これほどまでに外科解剖を理解し,手術手技の細部に至るまで習熟している著者に対して,何という「釈迦に説法」のごときことをしてしまったことか。専門家ぶって蘊蓄を傾ける私に,優しい笑顔で「勉強になりました」とおっしゃった著者のお人柄が胸にしみた。
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