書評
「アトラス 細胞診と病理診断」―亀井敏昭,谷山清己 編
藏本 博行
1,2,3
1日本細胞診断学推進協会
2北里大学
3財団法人神奈川県予防医学協会婦人検診部
pp.812
発行日 2010年10月20日
Published Date 2010/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102131
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細胞病理診断の素晴らしい啓発書が刊行された。
細胞診は,細胞所見を検鏡して病変全体を診断する,つまり海上に飛び出している一部の所見をもとに氷山の全体を見極めるに等しい診断法である。したがって,細胞診断にあたっては,目では個々の細胞の微細な変異を読み取りながら,これとは逆に頭の中では広角カメラのように病変全体の組織像を思考する姿勢が求められる。そのため,細胞診断の専門家であるためには,細胞の微細な変異を読み取る能力ばかりでなく,病理組織像を理解しておくことが不可欠である。
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