画像診断
囊胞性変化を伴った前立腺癌
甲斐 文丈
1
,
高山 達也
1
,
大園 誠一郎
1
1浜松医科大学医学部泌尿器科
キーワード:
前立腺囊胞
,
前立腺癌
Keyword:
前立腺囊胞
,
前立腺癌
pp.822-824
発行日 2009年9月20日
Published Date 2009/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101818
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患 者 80歳,男性。
主 訴 肉眼的血尿。
既往歴 高血圧,慢性硬膜下血腫。
現病歴 上記主訴にて2005年11月初診。受診時,尿沈渣で血尿を認めず,排尿障害・排便障害も認めなかった。腹部超音波検査,腹部CTで,前立腺と連続し内部に囊胞を含む骨盤内腫瘤を認めた。膀胱鏡を施行したところ,膀胱左側全体に膀胱外からの圧排と考えられる突出を認めたが,前立腺部尿道・膀胱内に異常を認めなかった。
検査所見 軽度の貧血以外,血液一般検査は正常範囲内であった。血清PSAは475.4ng/mlと高値であった。尿細胞診はClass Ⅲであった。
画像所見 腹部CTでは,内部に囊胞を含む,前立腺と連続した径20×15cmの骨盤内腫瘤を認めた(図1)。DIP(drip infusion pyelography)では,膀胱左側に圧排による欠損像を認めたが,水腎症は認めなかった(図2)。骨盤部MRIでは,内部に巨大な囊胞を含む前立腺を認めたが,周囲への明らかな浸潤は認めなかった(図3,4)。骨シンチでは,明らかな転移を認めなかった。
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