画像診断
術前検査にて膀胱腫瘍が疑われたTUR後の前立腺再肥大
小島 圭太郎
1
,
亀井 信吾
1
,
出口 隆
1
1岐阜大学医学部泌尿器科
キーワード:
前立腺肥大
,
再発
Keyword:
前立腺肥大
,
再発
pp.1088-1090
発行日 2008年12月20日
Published Date 2008/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101624
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患 者 66歳 男性。
主 訴 肉眼的血尿。
既往歴 10年前に他院にて経尿道的前立腺切除術を施行した(病理診断:前立腺肥大症)。
現病歴 2002年頃より間欠性の無症候性肉眼的血尿が出現したが放置していた。2006年9月,夜間頻尿が出現し,近医を受診。PSAが8.8ng/mlと上昇していたため当院に紹介された。
現症・検査 直腸診では前立腺は表面平滑で弾性軟であり,軽度の腫大を認めた。血液検査では異常を認めず,尿細胞診は陰性であった。尿検査では血膿尿を認めた。軟性膀胱鏡検査で,膀胱頸部より膀胱内に突出する乳頭状広基性腫瘍を認めた(図1)。
画像所見 腹部骨盤部CTでは,膀胱内に6×6cm径大の石灰化を伴う腫瘤を認めた(図2)。MRIにおいても,同径大の巨大腫瘍を認めた(図3)。画像所見から,当初は膀胱悪性腫瘍が疑われた。前立腺との連続性も認められ,前立腺原発の可能性も否定できなかった。
経 過 画像検査では肉腫を含めた膀胱悪性腫瘍の前立腺浸潤を疑ったが,膀胱鏡所見において表面は発赤などなく,典型的な膀胱癌とは異なっていた。そのため,2006年11月に病理診断を目的に経尿道的切除を施行した。切除標本は尿路上皮に異常を認めず,粘膜下に腺管および間質の増生を認めたため,前立腺組織由来の腺腫と診断された。
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