書評
「臨床研究マスターブック」―福井次矢 編
新保 卓郎
1
1国立国際医療センター研究所・医療情報解析研究部
pp.901
発行日 2008年10月20日
Published Date 2008/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101592
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本書は臨床研究の実践に必要な事項を簡明に記載している。研究の計画やデータの扱い方,解析や統計の考え方,論文の書き方,倫理的問題に至るまで紹介している。治験やランダム化比較試験のような多施設共同の大研究を,いきなり勧めるものではない。臨床現場の身近な疑問に,1人ひとりの医師やスタッフが臨床研究を通じて答えをみいだすための方法を記載している。著者は聖ルカ・ライフサイエンス研究所の臨床疫学センターを中心とした臨床医や研究者である。従来臨床疫学の一般的な話題については,優れた教科書や論説が出版されてきた。また,臨床研究の進め方に関して海外からはHulleyやHaynesなどの優れた教科書もある。しかし,国内からは臨床研究の実践に関する類書が少なかっただけに貴重である。本書は臨床研究の実務的なノウハウに触れている。このような問題は,実際に研究を始めてから困ることが多い点であった。
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