書評
「日本人のための医学英語論文執筆ガイド[CD-ROM付]―Thinking in EnglishでネイティブレベルのPaperを書く(How to Write an English Medical Paper that will be Published:A Guide for Japanese Doctors)」―Amanda Tompson,相川直樹 著
岩田 誠
1
1東京女子医科大学・神経内科学
pp.873
発行日 2008年10月20日
Published Date 2008/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101587
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
畏友,相川教授が書かれた本ということに大きな期待を抱きつつ,手元に届いた本書を早速読み始めた。親切なことに,本書の冒頭には,「本書の使い方」という章があり,そこには「使用法の実際」という読み方のガイドが書かれている。そこにある「一般的な使い方」というほうの読み方の指示に従って,ざっと読んでみることにした。このガイドによれば,まずは英文の方は読まずに日本語の部分だけを読むこととなっており,そうすれば45分間で読了するはずなのだが,ガイドの中では,本書を読む上での禁忌としている英文の部分までも熟読してしまったために,一応目を通すのには結構な時間がかかってしまった。それというのも,英文の部分も,読み飛ばすにはあまりにも面白かったからである。特に,Part Ⅱに紹介されている英文の文章は大変面白い。ここには,日本人の間違いやすい表現で書かれた文例が100件掲載され,その間違いの解説と,修正されたより正しい文章が示されている。間違いのある文章の中には,一見どこが不適切なのか判明しがたいものも少なくないのだが,修正された文章とその解説を読むと,ははーなるほどと納得したり,思わず苦笑してしまったりする。やっぱり自分は日本人であることを改めて認識すると同時に,言葉の勉強の面白さに引き込まれてしまうのである。
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.