書評
「イラストレイテッド ミニマム創 内視鏡下泌尿器手術」―木原和徳 著
筧 善行
1
1香川大学医学部・泌尿器科学
pp.557
発行日 2008年7月20日
Published Date 2008/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101527
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ミニマム創内視鏡下泌尿器手術は後腹膜を主戦場とする泌尿器外科医の発想の賜物と言える手術法である。解剖学的指標に乏しい後腹膜腔を,層構造を注意深く意識しつつ疎な結合組織を押し広げた先に広がる予想外に広い手術空間,そして薄黄色の脂肪組織に包まれた標的臓器を同定した時の安堵感,これらは泌尿器科医が等しく共有するものである。木原和徳先生の考案されたミニマム創内視鏡下泌尿器科手術は,今静かに,しかし確実に実践する術者や施行を希望する患者を増やしている。
著者である木原先生は,この手術手技は根治的腎摘除術と前立腺全摘除術が2大基本手術操作で,この2つができれば泌尿器科のmajor surgeryはほとんどがミニマム創でアプローチ可能となると強調されている。私自身は前立腺全摘除術でしか施行経験がないが,おそらくその通りであろうということは理解できる。
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