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2.神経因性膀胱障害と尿失禁
■神経因性膀胱障害
【排尿障害】
36.排尿障害で受診した糖尿病患者です。前立腺肥大と巨大な膀胱憩室を合併しています。対処と処方について教えてください。
中平 洋子
1
1埼玉医科大学医学部泌尿器科
pp.122-123
発行日 2008年4月5日
Published Date 2008/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101413
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1 診療の概要
糖尿病,前立腺肥大,膀胱憩室は,いずれも下部尿路症状(lower urinary tract symptoms:LUTS)の原因となる。このような複数の病態が混在している場合には,対処を考慮するにあたって,それぞれの病態の評価が必要である。膀胱憩室は,何らかの理由により膀胱壁が限局性に脆弱化し,この部分がヘルニアのように突出したものである。前立腺が大きく,尿道閉塞の原因になっている場合には,このことが膀胱憩室を形成した可能性がある。また,設問[35]で述べたように,糖尿病により神経因性膀胱をきたしているとすれば,膀胱収縮力が障害されており,尿道閉塞を治療しても排尿状態の改善が得られない。このように,それぞれの病態を評価して,排尿障害を治療することが重要である。
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