特集 泌尿器科外来ベストナビゲーション
2.神経因性膀胱障害と尿失禁
■神経因性膀胱障害
【蓄尿障害】
31.薬物投与によっても改善しない蓄尿障害の患者です。その対処法について教えてください。
荒木 勇雄
1
1山梨大学大学院医学工学総合研究部泌尿器科学
pp.109-111
発行日 2008年4月5日
Published Date 2008/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101408
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
1 診療の概要
蓄尿障害をきたす病態は多様である。神経因性膀胱(排尿筋過活動:[33],低コンプライアンス膀胱),過活動膀胱([44]),多尿・睡眠障害・心因性などによる頻尿・夜間頻尿([46]),間質性膀胱炎(膀胱痛症候群:[3]),腹圧性尿失禁([37])などが原因となる。原因疾患(病態)によって,おのずから治療方法は異なり,適正な治療のためには正確な病態把握が前提となる。また,排尿障害が合併している場合も少なくないので,ウロダイナミクス検査(尿流測定,残尿測定,pressure-flow検査など)により,下部尿路機能障害の評価が必要となることもある([30]参照)。
蓄尿障害の原因が排尿筋過活動あるいは過活動膀胱である場合には,内服治療以外の治療方法として行動療法,電気(磁気)刺激療法(干渉低周波療法),膀胱内薬液注入療法,手術療法などがある。
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.