特集 泌尿器科外来ベストナビゲーション
1.尿路・性器の炎症性疾患
■非特異性感染症
【腎盂腎炎】
5.発熱,側腹部痛,膿尿により急性腎盂腎炎と診断した患者です。外来治療から入院治療に移行する基準について教えてください。また,外来,入院でのそれぞれの治療方法について教えてください。
菊地 栄次
1
,
村井 勝
2
,
大家 基嗣
1
1慶應義塾大学医学部泌尿器科
2国際親善総合病院
pp.29-31
発行日 2008年4月5日
Published Date 2008/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101381
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1 診療の概要
腎盂腎炎は細菌の逆行性感染により,腎盂および腎実質の炎症が惹起された状態である。臨床経過により急性あるいは慢性に,基礎疾患の有無により単純性あるいは複雑性に大別される。急性腎盂腎炎は迅速な治療を要する。
臨床症状として,悪寒・戦慄を伴う発熱,腰痛,腹痛などが認められる。他覚的所見としては,患側の肋骨・脊柱角部の叩打痛がある。検査所見としては尿検査が重要で,尿沈渣上,白血球10個以上/hpfの膿尿を認め,細菌尿は105/ml以上で起炎菌と診断される。血液検査ではWBC増多,CRP上昇が重症度の推定に用いられる。
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