Japanese
English
特集 泌尿器科救急
尿道損傷
Urethral injury
新垣 義孝
1
Yoshitaka Arakaki
1
1沖縄県立中部病院泌尿器科
キーワード:
尿道損傷
Keyword:
尿道損傷
pp.1061-1064
発行日 2007年12月20日
Published Date 2007/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101312
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要旨 沖縄県立中部病院で1966年から2002年までに経験した尿道損傷198例に検討を加えて解説した。尿道損傷は前部尿道損傷と後部尿道損傷に大きく分けられる。前部尿道損傷の多くは会陰部の打撲による騎乗損傷であり,局所的損傷であることが多い。これに対して,後部尿道損傷は骨盤骨折に合併することが多く,骨盤骨折による大量出血や直腸損傷をはじめ,頭部,胸部,腹部の重篤な合併症への注意が必要である。前部尿道損傷と後部尿道損傷のいずれにおいても尿道完全閉塞の場合は急性期には膀胱瘻で対応し,閉塞部の創治癒機転が落ち着く3か月後以降に狭窄範囲を確認して手術方法を決定する。不完全断裂例では慎重に尿道カテーテルを留置し,2~3週間後にカテーテル周囲から尿道造影を行い,造影剤の溢流がないことを確認して抜去するが,その後に損傷部の治癒機転の経過中に尿道狭窄が出現してくることがある。後部尿道損傷では尿道狭窄に加え勃起不全が起こり得る。
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