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編集後記
藤岡 知昭
pp.758
発行日 2007年8月20日
Published Date 2007/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101259
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先日,海外からの元気な知人と70歳を超える大先輩の2組のご夫婦を,青森・秋田・岩手3県にまたがる十和田八幡平国立公園の八幡平にご案内しました。八幡平は平坦な山脈で,アスピーテラインや樹海ラインの車道が整備されており,車窓から壮大な山並みや原生林,さらに雲上世界を観光でき,閉鎖される冬季を除き多くの観光客で賑っています。
今回は,山頂付近の八幡沼を見たいとの同行者の強い希望がありまして,岩手県と秋田県の県境の見返り峠駐車場より山頂までの約3kmの登山道を散策することになりました。舗装整備された道とはいいましても,高低差約200m,今回のパーティ(?)にとりまして決して楽な行程ではありません。途中,二股の分岐点では山容を配慮して急峻ではないと予想された左の灌木の道を選択しました。高度が上がるとともに,残雪や湖沼が現れ,ショウジョウバカマなどの可憐な高山植物の花々が温かく迎えてくれました。約30分後,やっとの思いで,オオシラビソの林の中に盛り土された山頂に立つことができましたが,期待に反し視界は森林に妨げられた状態で,周囲の木々は以前に比べて成長したような印象がありました。これは,残雪の少なさとともに暖冬・地球温暖化の影響かと考えられます。
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