特集 ここが聞きたい―泌尿器科処置・手術とトラブル対処法
Ⅱ.泌尿器科手術
A.体外衝撃波砕石術(ESWL)
【体外衝撃波砕石術(ESWL)】
34.術後しばらくして発熱,背部痛を認め,KUBを施行したところ,stone streetを認めました。どのように対処すればよいでしょうか。
荒川 孝
1
,
藤崎 明
1
,
木村 将貴
1
,
服部 一紀
1
1国際医療福祉大学附属三田病院泌尿器科
pp.113-115
発行日 2007年4月5日
Published Date 2007/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101111
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尿路結石に対する体外衝撃波砕石術(ESWL)後に高頻度にみられる合併症の1つが,尿管内の破砕片の堆積形成(stone street:以下,SS)である。多くの泌尿器科医は20mm以上の比較的大きな結石に対してESWLを施行することで発症しやすくなることを経験的に知っている。また,それ以下の大きさの結石でも起こすことがある。それら20mm以下の小結石でSSを形成する因子としては,破砕片が粗い,尿管自体の問題(屈曲の存在,軽度狭窄:明らかな狭窄の存在はESWLの禁忌である)などが挙げられよう。
SSは自然排石して自然解消する可能性もあるが,疼痛や発熱を伴う場合は,何らかの処置が必要となる。すでに発熱を伴っている症例では腎盂腎炎を発症しているわけであるから,経過を見過ぎると敗血症に進展することが懸念される。症状が軽度であっても,SSによる尿管閉塞は晩期において腎機能障害を引き起こす可能性がある。3~5cmのSSを確認したら,無症状であっても2週間以内にはKUBを撮り,SSの情況変化を確認すべきである。6cm以上であれば症状の有無にかからず,何らかの処置を考慮したほうが賢明であろう。
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