特集 ここが聞きたい―泌尿器科処置・手術とトラブル対処法
Ⅰ.泌尿器科処置
【カテーテル留置(尿道留置)】
16.尿道カテーテルを長期間留置している患者です。バルーン先端の石灰化により抜けなくなってしまったようです。どのように対処すればよいでしょうか。
滋野 和志
1
1島根大学医学部泌尿器科
pp.58-59
発行日 2007年4月5日
Published Date 2007/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101092
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通常の留置カテーテル管理下ではカテーテルが抜去できないほどの石灰化は稀であるが,長期間カテーテルを交換せずに放置された場合などにはあり得ると思われる。留置カテーテルに付着する結石の本体は感染結石であり,細菌バイオフィルムが関係している1)。結石の主要成分はリン酸マグネシウムアンモニウムやリン酸カルシウム(hydroxyapatite)であり,シュウ酸カルシウムやムコ蛋白,ムコ多糖類を含む場合もある。ProteusやUreaplasmaなどの尿素分解酵素産生微生物は,ウレアーゼにより尿素からアンモニアを生成して尿をアルカリ化し,リン酸カルシウムとリン酸マグネシウムアンモニウム結晶を析出しやすくする(表1)2)。
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