小さな工夫
小児膀胱鏡を使った内視鏡下尿管結石摘出術
坂本 亘
1
,
石井 啓一
1
,
井口 太郎
1
1大阪市立総合医療センター小児泌尿器科
pp.1020-1021
発行日 2006年12月20日
Published Date 2006/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101018
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成人では,上部尿路内腫瘍や上部尿路結石の診断または処置に尿管鏡がよく使われる。しかし,小児でこれらの疾患に遭遇することはきわめて稀であるため,尿管鏡を使う機会は少ない。また,使用しなければならない場合でも,小児用として開発された尿管鏡はなく,成人用の長い尿管鏡が代用されるのが現状である。われわれは最近,小児尿管結石に対して6 Frの小児膀胱鏡を尿管鏡の代用として使用し,内視鏡下尿管結石摘出術を行い,案外,重宝することを経験した。
症例は1歳3か月の男児(身長84cm)と3歳0か月の男児(身長94cm)で,ともに左尿管下端部に8×5mmと7×3mmの尿管結石を認めた。2例とも全身麻酔下,小児膀胱鏡(Wolf社製,外径6F,有効長140mm)を,0.25mmガイドワイヤー下,尿管口の拡張なく尿管内に挿入しえた。空気圧結石破砕器(LithoClast(R))で結石を破砕した。結石破砕片は小児膀胱鏡に付随する把持鉗子にて摘出した。尿管カテーテルは留置しなかった。全手術時間は30分程度であった。翌日,オムツ内に細かい結石破砕片(蓚酸カルシウム)と,X線像での結石消失を確認した。
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