小さな工夫
気膀胱内手術に準じて作成した1本の3mmポートと小児膀胱鏡を併用した乳幼児の膀胱結石摘出術
坂本 亘
1
,
牧野 哲也
1
,
石井 啓一
1
1大阪市立総合医療センター小児泌尿器科
pp.712-713
発行日 2013年8月20日
Published Date 2013/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103299
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乳幼児に対する尿路結石の頻度は低いが,遭遇した場合,その摘出方法に関して悩まされる場合が多い。通常,成人では当たり前に選択される内視鏡も,使用できるサイズの問題で制限される。また破砕片の摘出に難渋することが多く,残存が後日のトラブルになる場合もある。だからといって,開腹手術を選択するには躊躇が生じる。今回,手術を簡単にするため,気膀胱内手術に準じて作成した1本の3mmポートと小児膀胱鏡を併用した乳幼児の膀胱結石の摘出方法を考案したので供覧する。
12か月女児,シスチン膀胱結石(30mm弱)。まず,気膀胱内手術に準じて,外尿道口から膀胱鏡を挿入し,下腹部正中に3mmのポートを膀胱内に作成した。膀胱は8mmHgのCO2で拡張させ,膀胱鏡の観察の下,3mmのポートから径2mmのリソクラストのプローベを直接挿入し,結石を破砕した(図1)。破砕片の摘出は,逆に3mmのポートから腹腔鏡用の光学視管を挿入し,この観察下,直接外尿道口から挿入した5mmの腹腔鏡鉗子を利用し,すべての破砕片を摘出した(図2)。
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