特集 前立腺疾患のすべて
Ⅱ 前立腺肥大症
治療法の選択と実際
薬物療法
アンチアンドロゲン剤
千葉 裕
1
Yutaka Chiba
1
1東北公済病院泌尿器科
pp.99-103
発行日 2003年4月5日
Published Date 2003/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100835
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1 はじめに
前立腺はアンドロゲン依存臓器であり,前立腺上皮の分化・増殖にはアンドロゲン,特にデヒドロテストステロン(DHT)が不可欠である。アンドロゲン(テストステロン)は前立腺細胞質で5α還元酵素により5αDHTとなり,核内でアンドロゲン受容体と結合し,活性化されたDHTアンドロゲンレセプター複合体は特異的mRNAを合成させ,蛋白の合成を経て前立腺細胞を増殖させる。またアンドロゲンは前立腺間質からの成長因子分泌を刺激し,その成長因子が上皮増殖に作用するという間質-上皮相互作用によりその効果を発現している。
本稿では,わが国で広く用いられているアンチアンドロゲン剤と,海外ですでに用いられており,わが国でも近い将来市場に出回るであろう5α還元酵素阻害薬について解説する。
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