特集 前立腺疾患のすべて
Ⅱ 前立腺肥大症
検査法のテクニックとコツ
前立腺超音波検査
木村 剛
1
,
木全 亮二
1
,
斉藤 友香
1
,
西村 泰司
1
Go Kimura
1
,
Ryoji Kimata
1
,
Yuka Saito
1
,
Taiji Nishimura
1
1日本医科大学泌尿器科
pp.50-56
発行日 2003年4月5日
Published Date 2003/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100826
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1 はじめに
経直腸的超音波断層法(transrectal ultrasonography:TRUS)は前立腺疾患の質的診断のみならず,前立腺肥大症の治療方針の決定にも有用である。他方,前立腺体積を測定することにより,体積当たりの前立腺特異抗原(PSA)の密度,PSA densityが算出可能で,前立腺癌と前立腺良性疾患の鑑別に利用されている。さらに,いまやgold standardとなった経直腸的系統的前立腺生検には必須の機器となっている。他の画像診断法と比較して,外来で直ちに施行でき,迅速・簡便であり,非侵襲的で,かつ経済的である。
最近では,B-mode表示と血流表示が同時に可能なcolor Doppler ultrasound(CDU)や,CDUの弱点であった角度依存性を少なくし,エリアシングによる色の反転,シグナル/ノイズ比を改善した超音波パワードプラ法(power Doppler ultrasound:PDU)が普及するようになり,低流速の微細な血流まで描出可能となった。
ここでは,TRUSの操作法の手順を示し,それに加え,われわれの施設で施行している超音波Fusion 3D法により得られた前立腺内外の血管構築に関する最新の知見を交え,PDUによる前立腺良性疾患と前立腺癌との鑑別診断を中心に解説する。
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