Japanese
English
綜説
シスチン尿症の基礎と臨床:遺伝子変化に基づく新病型分類
Basic and clinical aspects of cystinuria:A new classification based on genetic alterations
赤倉 功一郎
1
Koichiro Akakura
1
1東京厚生年金病院泌尿器科
1Department of Urology,Tokyo Kosei Nenkin Hospital
キーワード:
シスチン尿症
,
アミノ酸トランスポーター
,
原因遺伝子
Keyword:
シスチン尿症
,
アミノ酸トランスポーター
,
原因遺伝子
pp.195-201
発行日 2003年3月20日
Published Date 2003/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100802
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
シスチン尿症は,腎尿細管および小腸上皮におけるシスチンと二塩基性アミノ酸の吸収障害を本態とする遺伝性疾患で,尿路にシスチン結石を形成する。原因遺伝子としてrBAT/SLC3A1およびBAT1/SLC7A9が同定された。1回膜貫通型のrBAT蛋白と12回膜貫通型のBAT1蛋白はヘテロ二量体型アミノ酸トランスポーターを形成し,シスチンと二塩基性アミノ酸の腎尿細管管腔側の輸送系であるb0,+として機能している。2002年,遺伝子解析研究に基づいてシスチン尿症の新たな病型分類が提唱された。タイプA:rBAT遺伝子の2つの変異,タイプB:BAT1遺伝子の2つの変異,タイプAB:rBATおよびBAT1遺伝子のそれぞれ1つずつの変異。原因遺伝子の変異に基づく新たな病型分類が提唱されたことで,今後は,臨床データとの統合を通じて遺伝子型と表現型との関連を検討し,重症度や治療効果の評価が行われることが期待される。
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.