画像診断
イレウス症状を呈した気腫性膀胱炎
吉田 宗一郎
1
,
中込 一彰
1
,
後藤 修一
1
1県西部浜松医療センター泌尿器科
キーワード:
気腫性膀胱炎
Keyword:
気腫性膀胱炎
pp.1054-1055
発行日 2004年12月20日
Published Date 2004/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100661
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患 者 86歳,男性。
主 訴 発熱,下腹部痛,嘔吐。
既往歴 特記すべきことなし。
家族歴 特記すべきことなし。
現病歴 平素より排尿困難自覚していたが,無治療であった。2000年2月20日より時々尿閉となり,近医にて適宜導尿していた。2月27日より38℃台の発熱,下腹部痛,嘔吐出現し,当院に紹介され入院した。
入院時現症 下腹部全体が膨隆しており,圧痛を認めた。下腹部は打診上,鼓音を呈していた。 検査所見 血算:WBC 2700/ml。血液生化学:AST 137IU/l,LDH 342IU/l,CPK 3006IU/l,BUN 49.5mg/dl,Cre 1.79mg/dl,BS 60mg/dl,CRP 29.11mg/dl。尿検査:WBC多数/hpf。血液培養・尿培養:Klebsiella pneumoniaeが検出された。
画像診断 KUBにて,膀胱部に敷石状のガスの集積,小腸ガス貯留を認めた(図1)。腹部骨盤CTにて,膀胱壁内に多数の気腫が存在していた。膀胱内腔にもガスが貯留し,液面形成像を呈していた(図2)。
入院後経過 22 Frチーマンカテーテル留置したところ血性混濁尿の流出を認めた。PIPC 2g,CLDM 600mg/日を9日間投与し,膀胱部ガス,小腸ガス貯留像の消失を認めた。
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