小さな工夫
腎瘻造設術時ガイドワイヤーシースによる順行性腎盂造影
鈴木 一実
1,2
,
小林 実
1,2
1佐野厚生総合病院泌尿器科
2現:自治医科大学泌尿器科
pp.262
発行日 2004年3月20日
Published Date 2004/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100482
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われわれ泌尿器科医にとって腎瘻造設術は比較的頻度の高い泌尿器科的処置であり,その多くは緊急性を有するため,安全かつ確実に施行することが重要である。緊急時などには全ての操作を単独で行わざるを得ず,処置中にガイドワイヤー(以下GW)の遠位部が清潔なエリアを越え不潔になる場合がある。また操作の最終ステップであるが,GWに沿わせてカテーテルを挿入したところでGWを抜去する前に,その先端が腎盂,腎杯内の適切な部位に位置しているかを造影にて最終確認したい場合が多いと思われる。しかしこのような場合GWがカテーテル内に挿入されたままであるため,シリンジがカテーテル遠位部にしっかりと接続できず,造影剤をうまく注入できず,不都合を感じることも多い。このような悩みに対し,われわれは以下のように対処している。腎瘻カテーテル〔CLINYシリコーン瘻用カテーテル(マレコットカテーテル先穴型,クリエートメディック社製)〕挿入後,GW(ラジフォーカスガイドワイヤーM,ストレート,0.035'',テルモ社製)のカテーテル外に出ている遠位部を付属のGWのシース(ワイヤーイーサーパー)内に収め,そのシース先端をカテーテル遠位部に接続する(図)。シース先端のコネクター部(チップ)とカテーテルの遠位部の接合性は良好であり,造影剤をシース遠位部から漏れることなく注入可能である。こうすることでGWの遠位部を清潔に保ったまま,GWをカテーテルより抜去することなく効率よく順行性腎盂造影が施行可能である。
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