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特集 泌尿器切除標本の取り扱い方―私たちはこうしている
電顕標本のための組織標本の取り扱い方
Tissue fixation and processing for electron microscopic examination
稲垣 宏
1
,
滝野 寿
1
,
戸澤 啓一
2
Hiroshi Inagaki
1
,
Hisashi Takino
1
,
Keiichi Tozawa
2
1名古屋市立大学大学院医学研究科臨床病態病理学
2名古屋市立大学大学院医学研究科腎・泌尿器科学
キーワード:
電子顕微鏡
,
試料作製
,
もどし電顕
Keyword:
電子顕微鏡
,
試料作製
,
もどし電顕
pp.897-902
発行日 2005年11月20日
Published Date 2005/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100412
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要旨 病理学分野における電子顕微鏡(電顕)検査の果たす役割は大きい。電顕試料作製の過程で臨床医が関与するのは,初期段階である組織前固定までと考えられる。しかし,このステップは精度の高い電顕検査を行うために最も重要である。このことを念頭に,採取された組織の適切な部位を細切し,速やかに電顕用前固定液に浸漬させることを心がける必要がある。また,通常のホルマリン固定が行われパラフィン包埋された検体からも電顕検査は可能である。この方法は“もどし電顕”と呼ばれている。電顕用に処理された検体と比べ電顕像としては劣るものの,十分な情報が得られることも多く,病理診断に有用である。
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