特集 ここが聞きたい―泌尿器科外来における対処と処方
6.内分泌疾患
■精巣および性機能障害
【男性不妊症】
77.乏精子症を呈する患者です。対処と処方について教えて下さい。また,ART時代における薬物療法の今日的意義について教えて下さい。
石川 博通
1
,
宮地 系典
1
1東京歯科大学市川総合病院泌尿器科
pp.280-281
発行日 2005年4月5日
Published Date 2005/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100285
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1 診療の概要
乏精子症とは,精子濃度が20×106/mリットル未満の場合をいう。一方,男性不妊の原因には,(1)精巣での精子形成障害,(2)精子輸送路の閉塞,(3)前立腺炎(精囊炎),(4)勃起・射精障害がある1)。このうち,乏精子症の原因のほとんどが精巣での精子形成障害であり,一部の症例では前立腺炎が関係している。そこで,乏精子症を呈する症例においては(1)および(2)があるかどうかを,以下のごとく診断することが必要である。
1.問 診
精子形成能に関して,年齢,不妊期間,過去の配偶者の妊娠の有無について聴取する。また,前立腺炎の既往の有無を確かめる。
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